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第143回朝日名人会(10月18日) [落語会]

今回の朝日名人会は、落協と芸協の両会長+落協の人気噺家さんというすごい顔付けだ。DSC_0099(asahimeijin143).JPG
 
・堀之内    ゆう京
・棒鱈      馬治
・首ったけ    白酒
・片棒      市馬 
   仲入り
・ねずみ    歌丸
・御神酒徳利 権太楼

ゆう京さん  そっそかしさが半端ない、これでもかとくり出る勘違いが可笑しい堀之内だった。ゆう京さんが若いだけに、体を動かし続けの南無妙法蓮華経がなかなかリアルで愉しかった。しっかりした前座さんで、先が楽しみ。

馬治さん  プログラムに来年3月下席真打昇進と、ちゃんとカッコ書きがしてあった。演目は馬治さんの今年良く聴く棒鱈。さらに磨きがかかって、酔っぱらいと田舎侍の唄のはじけっぷりが可笑しい。それと対照的にクールな女中の対応がますます騒動を際立たせている。

白酒さん  前の二人がほとんどまくらなしだったが、白酒さんのまくらはやや長めだった。でも、名人会のこととかキャバクラのこととか毒吐きも少し薄めか。首ったけはそんなに長い噺じゃないから、コンパクトににぎやかにまとめた感じ。しかし、きっちり笑わせてくれた。

市馬さん  いいのどを持ってるとやりがいのあるんじゃないかと思う演目で、3人息子のそれぞれが可笑しいキャラを愉しげに。落語以外でお忙しそうだけれども、顔に出さないで頑張ってるのね。安心感、包容力のある存在感は、なんか小さん師匠(5代目)みたいだ。

歌丸さん  まだ、足と腰が万全ではないようで演目の順番が当日仲入り後に変更されて、幕が上がるとすでに歌丸さんが舞台上に上がっていた。でも、それ以外は体調も良さそうなのでほっとする。歌丸さんのとつとつとした語りが、はでではないけれど、卯之吉の健気さや甚五郎の名人らしさ、患ってる卯兵衛がらしくて、しみじみといい噺だった。

権太楼さん  まくらで、寄席の楽屋での仲間との話が楽しくて、ほうずき市のおこりはなんだろうねえなどとわいわいしゃべっていると、そこで前座だよ【怒】すぐスマホだか何だかで調べて云々。そんなこと知らなくったって、色々あーだこーだ話すことがことが楽しいのでスマホでホントの知識を知ちゃったら、はいそうなんですかで終わりじゃないか、と。新幹線で地方へ仕事で行く時も、どうやって行こうかなとちょっとつぶやいたら、(気を利かせてスマホでたぶん路線検索で調べて)師匠、こうやって行くといいんじゃないですかとほたるさんが言ったという【怒】それにしても、気を利かせたつもりな前座さんたちがちょっと可哀そうだけど、権太楼さんらしくてなんか可笑しい!御神酒徳利のほうは、終始、八百屋さんがあたふたすっとぼけたキャラで、女中さんが相変わらず可愛げのないのがあの権太楼さんの顔でやられちゃうと大笑いだ。

長かったが、6席すごく楽しい会だった。このあと、家族のお祝いで新丸ビルの隨園別館で会食。肝心の主役が遅れて来て、皆をあわてさせ、このしっかりしなさはゆくゆく心配と、お説教付の乾杯だった。

  
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セゾン ド 白酒 特別篇 五街道雲助・桃月庵白酒親子会(10月14日) [落語会]

成城ホールの雲助・白酒親子会へ行ってきた。DSC_0095.JPG7時半開演なので、もうすっかりあたりは暗くなっている。
成城学園前はうちから約10キロで、世田谷の西のはずれで吉祥寺より遠く感じる。地図を見ると成城ホールは成城大学に隣接しているようだ。祖師谷公園のテニスコート脇の道を南下すると着くようだが、一通で狭い道だといやなので、環八を素直に南下して途中右折して小田急線の線路際を走ると、ホールに着いた。混んでいなかったので大体ナビの到着時間通りだった。

・道具屋     駒松
・茗荷宿     白酒
・淀五郎     雲助
  仲入り
・井戸の茶碗  白酒

駒松さん  道具屋でたらいで鯉の滝登りとか、鉄砲のねは?で、ズドーンのオチは初めて聴いた。このところ、聴くたびに演目が違うので色々と増やす努力をしてるのね。弟弟子が2人もいるので、兄弟子としては二つ目へのプレッシャーがあるとは思うけど、らしく頑張ってると思う。

雲助さん  日千両稼ぐのは、魚河岸、吉原、芝居のかけ茶屋ときたのでもしかして芝居噺?と思ったら、淀五郎だった。志ん生さんのCDでこの噺は何回も聴いていたがあんまり面白さが分からなかったのだが、雲助さんの淀五郎はホントに引き込まれた。確かにCDなので映像はないから、その時の表情もしぐさも見えないから比べるのは難しいが、芝居心が雲助さんの噺からはぐっと伝わってきたのだ。市川団蔵と中村仲蔵の二人の演じ分け、実際に四段目を見ているかと思ってしまうほどの臨場感。特に判官、由良の助の芝居口調がホントに歌舞伎みたいだ。また仲蔵が淀五郎の芝居を見てやるところなんかは、目と表情だけでいかに演技がまずいかを言葉無しでも分からせてくれる。淀五郎の判官の「待ちかねたぞ」が、その前ふりで由良の助が花道の七三のところにいないで駆け寄ってたのを見損なってたのがあって、なおのこと心に迫るせりふだった。歌舞伎の素養がものをいう噺なんだと改めて思った。2席を1席にしても、確かに量より質のすばらしい1席だった。

白酒さん  この回でシリーズは最後で、それで親子会になったんだそうだ。成城学園という名前がプレッシャーを感じる、すき家もここのは違うみたいだと。セゾン ド 白酒というネーミングもちょっとと、次回やるなら違うのにしてほしいそうだ。
まずはじめに、茗荷宿。この前聞いたが、やっぱり可笑しい。2年ぶり5人目の客だとか、湯も味噌汁も甘酒もみんなぬるいのに、まあまあと怒らないのが白酒さんらしい。ありとあらゆるミョウガ料理も、亭主もおかみもそんなに悪人に見えない落語の人たちなのが愉しい。ミョウガの開きが焼きミョウガを半分に開いただけじゃないか、にはまたもや笑ったね。
仲入り後は、雲助さんの1席はなくなり、白酒さんの井戸の茶碗。このくずやの正直清兵衛さんが、白酒さんらしく、いいコーディネーターになってる。あたふたしながらも、けっこううまく話をまとめるし、千代田卜斎も最後の150両をあんまりごねずに受け取るのは、娘のお菊を高木のところへ茶碗を届けさせて対面させている伏線があるので、嫁にもらってもらう支度金というのが無理がない展開にしている。途中可笑しかったのは、千代田の事を、「昼はソドムとゴモラ(素読の指南)、夜はバイブル(売卜)の宣教師」と、指南番が鴨南蛮、等々言葉遊びが愉しかった。

雲助さん、白酒さん共々に大満足の会だった。



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赤坂寄席46回(10月11日) [落語会]

仕事をすませた家人と赤坂で待ち合わせして、駒次さんの赤坂寄席に行ってきた。DSC_0092(akasaka10).JPG
どちらも早く着いてしまったので、そのまま受付に行くともう開場していた。
この日、つれは駒次さんを聴くのは初めてだ。大体土曜日は仕事があることが多くて、今回はダメだろうと思ったがなんとか間に合った。
ゲストは6月に二つ目に昇進したばかりの、志ん橋門下の志ん松さん。駒次さんと同じ、古今亭一門の若手である。

・祭りのあと    駒次
・あくび指南    志ん松
・三題噺(月蝕、トワイライトエクスプレス、柳田格之進)  駒次
  仲入り
・奇跡のおばさん 駒次

祭りのあと  駒次さんが京都に行ったおり、たまたま訪れた寺が浄土宗の誓願寺で、そこは落語の祖と呼ばれる策伝上人がいた所で有名なんだそうだ。早速、お賽銭を追加して芸道上達を祈念した駒次さん。拝もうとした瞬間、ブレーカーが落ちて停電に。お先真っ暗なんて洒落られても、仏様のお導きできっといい新作ができるでしょう。そんなまくらから、引っ越して来て早々に、板橋の奇祭の福男を頼まれることから始まる騒動の噺。いくら白塗りとはいえ、全裸だと公然わいせつ罪にひっかからないかなあ、とは思いつつ、めちゃくちゃ面白かった。駒次さん初めてのつれもゲラゲラ笑っていた。最後のどんでん返しの町の世話役が、アッという設定なのが想像を超えてて可笑しい!板橋にホントにこんな祭りがあったら、すぐ噂になっちゃうだろうな。

あくび指南  志ん松さんは前座時代、紆余曲折(2回脱走、1回クビ)を経て何とか昇進できたそうだ。そんなことがあっても落語を止めないんだから、真打になるまで頑張ってほしいものだ。そんな自分の話で時間かせぎするのだが、あまり延ばせずにあくび指南へ。そんなに長い噺じゃないけど、船に揺られつつあくびをする様子を丁寧にやって、こちらもつられてあくびが出そうになっちゃった。師匠の志ん橋さんゆずりなのか。志ん橋さんの落語が好きなので、師匠を見習って落語家さんらしい落語家さんになってくれるといいなあ。

三題噺(月蝕、トワイライトエクスプレス、柳田格之進)  またまた鉄分入りのお題。柳田格之進は先代金原亭馬生の十八番で、どういう風に出すのかなあと思っていたら意外な設定で出てきた。数日前の皆既月蝕の赤黒い不気味な月を見たばかりだったので、これもどう料理するかと期待していたが、最後のオチで出てきた。撮り鉄ネタなので、もう少しトワイライトエクスプレスのことがわかってると鉄道のしろうとでももっと愉しめたかも。最近鉄道で旅行してないので(日帰り新幹線はあるけど)、いつかは乗ってみたいな。

奇跡のおばさん  今日の噺の中では、谷ユリにはこの噺が1番面白かった。展開もテンポよく、細部のしこみも自然で、最後の展開もちゃんとつじつま合うように、ファンタジーも織り交ぜて駒次さんらしいちょっとハートフルな噺に仕上げてる。新聞のチョイスも東スポなのが可笑しい!この噺は何回も練れば、きっといいものになると思う。新作って、やっぱり好きだ。今という時を表現してて、絶対に先が読めないのが聴いててわくわくするんだもの。

次回は12月だそうだ。きっと時間を作って行きますとも!

会が終わって8時前だったので、赤坂駅近くのSHONARGAON(ショナルガ)にて夕食。ビールにあう、インド・バングラデシュ料理だった。このほかにも4皿とカレーセット、いっぱい頼んで、残さずたいらげた。
ウェイターのおにいさんは、心なしかナダルに似ていた。
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月例三三独演(10月9日) [落語会]

DSC_0091(sanza10).JPG

仕事の打ち合わせが5時に入ってしまい、早々に切り上げさせてもらって帰って夕食の支度をしてあわてて日比谷へ向かった。5分前でぎりぎりセーフ。

・干物箱    わさび
・今戸の狐   三三
   仲入り
・呼継ぎ    三三 
・万両婿    三三 

わさびさん  久しぶりのわさびさん。なんか、口調が毎回遭遇するごとに落ち着いてきている気がする。上野であった客引きの話が可笑しかった。鈴本から落語協会へ師匠のめくりを取りに広小路通りを走ってると、客引きが、「お兄さん、ゴールはこちら」と言ったのが洒落ててうまい。そんなまくらから、干物箱。貸本屋の善さん大活躍のはずが、わさびさんの善さんはぬるく適当でなんからしくて可笑しい。おとっつぁんも銀之助同様意外におっかなくない。噺に無駄がないからいいね。どんどん進化する二つ目さんで、次回も楽しみだ。

三三さん  今戸の狐は三笑亭可楽という落語家のプロの元祖がでてくる江戸時代の噺だが、予備知識で、サイコロばくちのチンチロリン(狐)や、サイコロをコツ(骨)のサイということ、コツ(小塚原)は今の千住など、今の若い人なら知っていないと何のことやらわからなそうな話ではあるが、三三さんがある程度説明しておいてくれたので、地回りの強請り屋と可楽の弟子の良助との話のかみ合わなさが自然で可笑しい。昔から売れっ子になるまでは落語家さんの生活は苦しい上に、師匠の厳しさ(博打、アルバイト禁止)は変わらないのね。それでも、今はアルバイト禁止ではなさそうなので結婚式の司会とかやっているそうだ。
ネタおろしの呼継ぎという噺は初めて聴いた。呼継というのは、壊れてかけた瀬戸物の修復の手法で金継みたいなものなのか。嫁を世話してもらったお礼に、出入りのお屋敷の旦那に植木屋さんが仁清の茶碗を買ってくるが、旦那とのやり取りで、色々お互いに差し障りがお互いあるというのがどんどんエスカレートして、最後に嫁がキズ物という、女性にはあんまり後味の良くない噺だ。でも、そこはあくまで軽くちょっと今の事(つけまつげ、濃いメイクを取ると別人とか)も織り交ぜて笑わせてくれる。艶笑噺の会でやるような男性向けかもしれない。
最後の万両婿は、先日も聴いたがやはり大家さんのキャラがたってて「万事私に任せておきなさい!」がすごく可笑しい。いとことおトキさんとの関係ものろけを言うほどの仲の良さにしているので、小四郎がふられるのが無理はないと納得できる。
今回も、疲れも吹っ飛ぶ充実した内容の4席だった。





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第68回 四の日昼席(10月4日) [落語会]

この2ケ月ほど4日が平日で用がありいけなかったが、この日は土曜日とあって混み合うかと思い早めに行ったが、ぎゅうぎゅう詰めとまではいかないで余裕で座れた。巣鴨の地蔵通り商店街から少し外れた所にあるスタジオ・フォーの四の日寄席に初めて行った頃は20人そこそこだったが、最近では後ろまでいっぱいになることも多くなった。
現在のレギュラーメンバーは、初音家左橋、隅田川馬石、古今亭文菊、桂やまと、古今亭駒次である。今回は文菊さん欠席で、かわりに春風亭一左さんが務める。(ほぼ準レギュラー)
前からこれで1000円とは安すぎるよねって思っていたら、どうやら真打も増えたことだし演者さんたちも値上げを考えていると、そこでやまとさんがいくらにしようかアンケートをとった。どうやら1500円が1番拍手が多かったが、このメンバーで1500円でも安いくらいなような。さていくらになるかな?

DSC_0089(4nohiyose).JPG

・強情灸     馬石
・ガールトーク  駒次
・阿武松     やまと
  仲入り
・悋気の独楽   一左
・幾代餅     左橋

馬石さん 噺家でも3代続く江戸っ子は少ないそうで、師匠の雲助さんでも本所生まれは確かなんだけど、お父さんの代はどうかというとそうでもないらしい。そんなまくらから、強情灸。前にも書いたが、馬石さんは手の指が長くてきれいなので、腕の表現が豊かだ。ヤセ我慢の表情も多彩で、思わず笑っちゃう。

駒次さん いつも盛り上がるのは、居ない人の悪口だというまくらから、ガールトーク。久しぶりに聴いたが、後半の噂が妄想化していって面白かった。

やまとさん まず、入場料の値上げの話で、アンケート。逸ノ城がいつのじょうとはもはや読まなくなったと、まくらをふって、阿武松という大飯ぐらいの関取の出世話。相撲の親方が、親方らしく大人然としてる。小柄なやまとさんだと、舞の海を連想してしまう。

仲入り

一左さん 文菊さんの代演だが、半レギュラーである。定吉がおかみさんに買収される場面が、おかみさんがさほどヤキモチ焼きでない感じなので、悔しがりかたも旦那の浮気にややあきれたふうなのがカラッと笑える。

左橋さん まくらで癪と疝気の話はこの前、丸花亭の落語会の馬治さんとほぼ同じということは、馬治さんは左橋さんから習ったのかな?金原亭の噺家さんは、余計な描写はなくわりとたんたんと人情噺をやるような気がする。もちろん、笑わせ所ではしっかりと可笑しい。つくづく好みは柳家なんだと思った。

また来月も来たいけど、平日なのだ。よーし、何とか時間作っちゃお。

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秋、Wホワイト落語会13(10月2日) [落語会]

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にわか雨があがったころ、下北沢へ三遊亭白鳥・桃月庵白酒二人会へ行ってきた。
この前の会から、めくりを橘右門さんが書いているようだ。やっぱりプロの寄席文字はいいな。

・ご挨拶       白鳥・白酒
・山奥寿司      白鳥
・宿屋の仇討    白酒
仲入り
・茗荷宿       白酒
・天王寺代官切り  白鳥

御二人共に淡い色合いのお着物で登場。白鳥さんが、お揃いで膨張色と笑いを取る。白鳥さんは淡い朱鷺色、白酒さんは生成りの白である。だけど、ふくよかな人の場合濃い色の着物だと圧迫感を与えるので、舞台では華やかな淡い色のほうが体型がぼやけてなおかつ顔色もよくみえるのでイイと思うんだけど。
その後、当代文楽さんの話をひとしきり。「最近ずいぶんうれてるね~~」(文楽さんのまねが白鳥さん、うまいね!)と褒め殺しのようにからんでくる文楽さんが楽屋では苦手という白鳥さんに、白酒さんが対応策を伝授するのだが、それが相手の話を先に聞きだすというテクニック。そのうまい対応に、白酒さんを文楽使いと命名するのが、「化け物使い」を連想させて可笑しくってしかたない。間男なんて、小益さん(文楽以前)らしい話だ。この会でまさか白酒さんにねたにされてるとは、文楽さんきっとくしゃみしてるだろう。
寄席の差し入れの話で、白酒さんはビールが困るとことか、白鳥さんはもらった赤ワインを飲んでみたらハマったそうだ。今では安いイタリアンレストラン状態のようにチリワインが並ぶそう。
白酒さんの出ていた闇夜にコソコソが終わったこと、白鳥さんが美の壺に座布団の特集で落語家枠で出ること(これって、三三・白鳥二人会でずいぶん前に聞いた気がするけど、オンエアまだだったのね)等々。

白酒さん  人の扱いは難しいと、川柳さんと亡くなった右朝さんはぶつかることが多くて、その上左談次さんが加わると酒の上で何が起きるかしれないので緊張するという話から、ここ北沢タウンホールで6日にやるほどほど落語長屋の宣伝へ。(川柳、左談次、白酒、一之輔というメンツ)
まくらで、小朝さんにコンスタントに使ってもらえるとペイが良いのだが、あきるとポイ捨てされるそうで、百栄さんは突然捨てられ、家賃が払えなくなったという話は、お気の毒だがなんか可笑しい!
そんな前ふりから、宿屋の仇討へ。白酒さんのは、テンポ良く、トントンと噺が進んでいくのだが、途中の相撲の件で、今話題の逸之城とか、引き技ばかりの鶴竜とか、行司の玉次郎とか、とにかくタイムリーな角界の名前を織り込んで笑わせる。こういう工夫が噺をなお一層愉しくさせるんだなあ。いはち~~、のバリエーションも、考えオチとかあってたまりませんわ。
仲入り後の茗荷宿は、宿屋でついちゃったけど、それはそれで面白かった。まくらで宅急便を受け取る時の話は、午前中は家にいることが多い芸人さん全般に共通するものがあるので、他の噺家さんのまくらでも聞いたことがある。そんなところから、飛脚が足をくじいて、辺鄙な宿の泊まるという噺へ。茗荷(だけ)料理を文句も言わずに食べる飛脚も飛脚だが、ありとあらゆるミョウガのメニューを繰り出す亭主も可笑しい。その上、出されたものがすべからくぬるいのに、まあまあと抵抗せずに受け入れていくのが白酒さんらしくて、ものすごく可笑しい!(白酒さんは毒を吐いても喧嘩はしないんだろうなと思ってるんだけど、どうなんだろう?)
子供の頃、試験前にはミョウガを食べてはいけない(物忘れがはげしくなるから)と言われたことを思い出させてくれる愉しい噺だ。

白鳥さん  回転寿司では、座る位置を間違えると悲劇だということ、正蔵さんに連れて行ってもらった高級寿司屋で、シャリに醤油をつけて大将にしかられたこと、横にしてちょっとつけるんだと聞き、そのとおりにイクラの軍艦巻きを横にしたイクラがぽろぽろ落ちてしまったというまくらから、山奥寿司。
宿屋に泊って、何か珍しいものをと、山を分け入り断崖を登りつめたところにあった奇妙な回転寿司屋。ここでは海の幸ならぬ、山の幸をネタにした寿司をにぎってくれる。雲丹はプリンに醤油、イクラはカエルの卵とか、気持ち悪いけど漫画チックで面白い。
トリの天王寺代官切りは、流れの豚次伝第五話のちょうど真ん中の噺。四国へ骨を納めに行く途中立ち寄った大阪が舞台で、大阪でもかけることを意識してか、ローカルあるあるネタを織り交ぜて、濃いキャラの登場動物が入り乱れての抗争場面へと突入する。所々、つるのいわれとか古典落語ネタでくすっと笑わせたり、時々名前を間違えてノリ突っ込みしてみたり、大阪市>大阪府等々、笑いを取るのに貪欲な白鳥さんだった。最後は浪曲(?)らしきものをうなって終わった。お囃子の松尾あささん、オープニングの出囃子にダメだしされたのに、よく白鳥さんに合わせてくれたね。

今回もトークも噺もとっても面白い、また次回が楽しみな会だった。





 

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どうらく息子落語会(10月2日) [落語会]

まんが『どうらく息子』の連載100回&単行本10巻発売記念の落語会、早い時間から始まるのでギリギリセーフだった。
オープニングトークは作者の尾瀬あきらさん、監修の三三さん、ゲストの談春さんの三人。

・トーク
・鰍沢 三三
仲入り
・紺屋高尾 談春

どうらく息子と聞くと、経済学でいう道楽息子の法則を思い浮かべてしまうが、話は全く違う。主人公が保父さんから脱サラして落語家になり、ちょうど紆余曲折がありながらも二つ目に昇進が決まったところが10巻目。
尾瀬さん自身が落研で先輩につけてもらった惜春亭銅楽を、主人公の師匠名にしている。三三さんからは、ストーリーではなく、落語の所作や楽屋裏のリアルをみてもらっているそうだ。細かい矛盾を直したりたいへんそうだが、プロが見ておかしくないということが、読者としては嬉しいことだ。
はじめは落語の噺を漫画で表現したかったそうだが、それでは面白くないし難しいと編集者に却下されたので、落語家の成長物語にしてその中に、色々な噺を織り込んでいくことで落ちついたんだって。もっと尾瀬さんの落語にまつわる話を聞きたかった。

三三さんの鰍沢は、山深い雪の日の凍える寒さ、世を捨てたもと遊女のいいしれぬ心の闇が真にゾクッとさせられる。前より場景や心情が鮮やかになり、これを聴けてもう満足感一杯。

後の談春さん、順序が逆だったほうがよかったかも。言葉が多くて、脱線も多い。いくら三三さんが熱演で差がついたとしても、真面目にやれと、心の中で叫んでいた。元々師匠の談志さんが苦手だったが立川流は苦手。小さん師匠の孫弟子とは思えない。人気があるらしいけど、好みじゃないのは個人的な嗜好の問題。色々余計に感じてしまう、紺屋高尾だった。



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第73回三三・左龍の会(9月28日) [落語会]

川越から帰り、喪服を平服に着替えて内幸町の三三左龍の二人会へ行ってきた。
昼間少しぶらぶらしたので、疲れがでたようだ。寝ないように眼はあいてるけど、どうやら意識がとんでいたようた。
この日は第73回で、オープニングトークで左龍さん自ら言っていた。

・二人のトーク
・たらちね 小かじ
・幇間腹 左龍
・蒟蒻問答 三三
お仲入り
・町内の若い衆 三三
・夏の医者 左龍

冒頭のお二人のトークは、前座のさん坊さんが北海道の別海町出身で裸馬や裸牛に乗れて凄いそうだ。さん喬さんの弟子達は体型で派閥が分かれると。太神楽の人達は独特で、ラーメンを食べる時必ず、酢をかけるそうだ。酢がないと怒るくらい、ラーメンには酢!が太神楽の皆さんだとは初耳。

小かじさん ずいぶん短いたらちねだが、言葉が丁寧なおかみさんがわりとあっさりしていた。

左龍さん 幇間が似合うのは、体型でも得してる?はじめの幇間の客とのやり取りが面白かったのだが、このあとで昼間の疲れが出て目があいているのにさっぱり頭に残っていない。左龍さんごめんなさいね。夏の医者はキャラ立てが難しい田舎言葉の噺だが、のんびりした可笑しさが余韻に残った。

三三さん 蒟蒻問答は色々な人のを聴いているが、三三さんのは登場人物4人がそれぞれしっかりキャラが立っててものすごく面白い。蒟蒻やの六兵衛がいい加減なお気楽ものの八五郎をよく面倒みるかと思うと、よっぱらった八五郎を起こすのに鼻に火箸をつっこんだり、偽坊主になるときの表情の可笑しさったらない。八五郎の適当さに権助がまたいいコンビになっている。行脚中の托善がまた僧侶らしい厳しさと青臭さがこの3人と好対称で、問答が進むにつれ表情が畏れ入ったと変化するさまがまたいいな。
次の町内の若い衆は、ネタ卸しとは思えないくらい、笑い所満載だった。三三さん、いつから爆笑系になったの?特にいい女の兄貴分のおかみさんと比べてアザラシと自分のかみさんを表現する、気が弱いのにくやしがりやのオットセイ亭主。イィ~ってじたばたするのが、もう爆笑。なんか絵面が見えて可笑しくって仕方ない!アザラシのかみさんは、世間ではトドだといわれるくらいの色黒の太った女だが、亭主には強い強い。何か言われると、ぴょんと背筋を伸ばす亭主が気の毒なのがまた笑っちゃう。

次回もまた楽しみな二人会だった。

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IMAホール落語会 三三・馬石 二人会(9月27日) [落語会]

昨日からのさわやかな秋晴れが続くと思ったら意外や昼から曇りの肌寒い中、光が丘IMAホールの三三・馬石二人会に行ってきた。このホールは10数年前にはピアノの発表会やらなんやらで時々来てて、この近くの光が丘公園や夏の雲公園は2年前までしょっちゅうテニスしに来ていたのでなんとなく来易い場所である。
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・元犬    花どん
・転宅    三三
・火焔太鼓 馬石
  仲入り
・安兵衛狐 馬石
・鹿政談   三三 

花どんさん  前座さんでもしっかりした口調でシロの可笑しさを良く出していた。こういう軽い噺で笑いをとれるようになるのは大事なことだ。いい感じだった。

三三さん  ご当地始発の大江戸線ネタで笑いをとる。前座の頃はまだ大江戸線がなくて中井まで歩いていたが実際は落合南長崎駅近くだったそうだ。二つ目の時は中村橋でやはり光が丘に近いので勢朝さんの落語会によく呼んでもらっていたのでお馴染みのIMAホール。いつものまくらから泥棒の話をと、先週も聴いた転宅へ。高座が動くとぎしぎしと音がするので前の席の人には聞こえるらしく、お妾さん宅をいい普請といいながら少しギシギシすると笑いを取る。相変わらず、お菊さんの機転の利くいい女っぷりと泥棒の能天気な間抜けさ、タバコやのおじいさんがいい味出していた。
鹿政談は数か月ぶりに聴く。奈良の鹿がけっこう怖いという体験談が可笑しい。パラソルの下で鹿せんべいを売ってるのだが、客がきてせんべいを買ったとたん、知らんぷりしていた(三三さんいわくシカトしていた)鹿たちが、おっという目でそれを察知するらしい。するとわらわらと取り囲まれ服をかじられたり、三三三の場合はお尻をかじられて痕がついたそうだ。そんなまくらから、奈良の鹿は昔鹿島からきた御神獣で殺したりすると大変な罰を受けるという。豆腐やの正直六兵衛は店先のおから(キラズ)を盗み喰いしていた鹿を犬と間違えて誤って殺してしまう。そのお裁きで死罪になるところを、根岸肥前守の名裁きで命拾いするという三三さんお得意の政談もの。やはりお奉行様が似合っているなあ。めくばりといい、話し方といい、姿勢がいいので侍らしさが自然だ。

馬石さん  先日サインしていただいたCDは2枚とも何回も聴いてきて、今日の演目も楽しみにしてきた。この前の西新宿といい、今日のIMAホールも初めてだそう。1時半ころに着くように来たけれど、なかなか来ないエレベーター前でこの会場に来るお客で後ろがいっぱいになり、仕方なくエスカレーターで上がってきたという。気が付かれるとにこにこしないといけないんだけどなかなかむずかしい、人気が中途半端だと謙遜する馬石さん。雲助師匠に入門して20年で、三三さんは同期でもアニさんだという。あちらは人気もあるし、自分は中々メジャーじゃないと。そんなことないと思うけど。その他には落語界以外では松井秀樹も同期だそう。あっちは20年で引退だけど、こっちは引退なんてない、これからだと。いいなあ、こういう前向きな考え方。89歳で現役の米丸さんや金馬さんもいるし、落語の世界は定年ないもんね。
というまくらから、火焔太鼓へ。馬石さんのはとにかくおかみさんがしっかりしていて、前半部分はおかみさんは主人公のように道具やさんにお説教するようにいちいち言い聞かすのがとっても可笑しい。後半は道具やさんの真骨頂発揮で息つく間もなく売り抜けてく様はさらに可笑しい。志ん生型の坐りしょんべんはなかったが小判を出して見せるところは徐々に高まる興奮が伝わってきて大笑いだった。
次の噺はお得意の安兵衛狐。源兵衛さんの骨供養の場面も面白かったし、今回も絶妙な“コン”が聴けて楽しかった。娘の狐がホントに可愛くみえるんだから、目力が強いって狐狸の噺では効果絶大だと思う。

今日は聴いてて心持の良いお二人で愉しかった!! 




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三三三九四七~柳家三三 ありがとう!47都道府県~(9月23日) [落語会]

DSC_0075(333947).JPG墓参りを終えて、一路大宮へ。埼玉県南部の道路は休日は特に混む。縦の道はまあまあ充実してきたのだが、横への移動の道はあまりにも貧弱だ。ナビは一応混雑を避けたルートを案内するのだが、予定の1.5倍近い時間がかかってしまった。
DSC_0076(enmokuomiya).JPGさいたま市民会館おおみやホールの駐車場に着いたのはほとんど開場時間寸前だった。食事をする暇もなく、家人の分の当日券を追加で買ったが、まだまだ空きがあるようだった。しかし去年4月の三三五五四七の時は平日の夜で、20人いるか?くらいのさびしさだったので、この日はその3倍くらいはお客が入っていたのでスカスカ感がなくて良かった。ここは駅からちょっと歩くのが難点。それでも、熱い三三さんご贔屓が集まったって感じだ。女性率高し!(前回の演目:真田小僧、お化け長屋、笠碁)
・転宅
・錦の袈裟
  仲入り
・万両婿

秋らしい色合いの粋な縞の着物をすっきりと着こなし、早速こちらへ来る時の中途半端な距離を心が折れそうになるころ着くということで笑わせる。最近まで北陸のほうの落語会を廻っていたそうで、主催者も客も報道関係者もあんまり落語会慣れしていないらしく、色々落語をやる上で困ったことがあったそうだが、それを他でネタにすれば元が取れると。池袋の携帯オジサンの事件も今やウケるまくらに育ったし、逆にそう言っておけば、さすがにその席で携帯鳴らすことも無くなるだろうから、一石二鳥だね。客の携帯がなってからすぐにはいじらず、数回鳴らさせて泳がせてから噺の中に取り込むのがコツだそう。怒らないで、むしろ笑いに変えるのが流石だけど、人情話のいい場面だったらむずかしそう。落語家さんもたいへんだね。
女性が多いからか、まずは転宅。三三さんのお菊の胆の据わった泥棒へのあしらい方は(女らしさを出しつつもあくまで自分の主導権を渡さないしたたかさと気の強さゆえ)、明治のお妾らしくていい感じ。それに対して男の能天気さ、タバコやのおじいさんに言われても気付かない間抜けなさまがいい塩梅で可笑しい。
次の錦の袈裟はこの頃の与太郎の与太郎っぷり、万事修行万事修行の和尚の人物造形がかたまってきた感じ。相変わらずの若いもん達のにぎやかな集まりに違和感なく与太郎が混ざってるのが、仲間外れにしない江戸っ子の良さがでてて愉しい噺にしあがっている。
地方に口演に行くといろいろネタになる体験をしてくる三三さんは、首都圏に帰ってくると鉄板のまくらにして披露してくれるのが嬉しい。仲入り後はこれまた粋な黒の小紋で、若旦那が出てくる噺かと予想していたら万両婿だった。これも大岡裁きの一つだが、最後にお裁きでお奉行様は出るだけで、とにかく大家さん一人の活躍がめだつ。かならず「万事私に任せなさい!」と、胸をたたくのが可笑しい。小四郎の生きていたのがわかると困った最後は胸をたたけないのがおちになってて、大家の困惑を際立たせている。この噺は逆玉の輿なのだけど、三三さんの小四郎が親切でいい男ふうなので、お裁きとはいえ器量良しの若狭やの若後家を嫁に出来て違和感なしだけど、おときさんは小四郎にまったく未練はなかったのかなあと、この噺を聴くたび気になるのである。若くて優しい三五郎のほうが良かったということだけど、江戸時代って意外と夫婦関係はあっさりしてたのかも。途中、お裁きのところで、この続きは高崎で、と終ろうとするのがやっぱりダメだよなあと、最後までやった。ひっぱりましたね。でも、高崎はまだ先だし遠いいし。。。半径10キロ圏内ならうかがいますよ!
外に出ると、なんと入口近くにSLが。中野ゼロホールみたいだ。
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