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鯉昇最後の引っ越し記念の会(11月19日) [落語会]

文京シビックホールで、毎年2回のペースで行われる鯉昇さん、楽輔さんがメインの落語会。鯉和.jpg
寿司の折詰と飲み物付のとっても嬉しい落語会。
その上家人が海外出張なのをいいことに、打ち上げまで友達2人と一緒に行ってしまった。

・桃太郎     鯉和
・粗忽の釘   時蔵
・天狗裁き   楽輔
   仲入り
・御神酒徳利 鯉昇
・色紙抽選会    またもや当たらず

鯉和さん この会はいつも始まる前にお寿司をいただいてから始まるので、開演時間を過ぎてもざわざわしていて皆さん着席するまで時間がかかる。そんな客席を落ち着かせようと、小噺をいくつかやって時間をつなぐ。目配りの利いたしっかりした前座さんだ。噺もちゃんと笑わせどころできっちり笑わせてくれる。しっかり者の息子とお父さんのやりとりが愉しい。後で聴いたら、金沢出身で地方紙の新聞記者をされてたそうだ。若く見えたけど、三十路を過ぎていたのね。一緒に行った友達が「うまくなったね~」と褒めていた。

時蔵さん  時蔵さんの粗忽な男はバカに自然で可笑しい。男が隣家に行って押しつかせてくださいと言うところは、時蔵さんとかぶって笑ってしまった。おかみさんも気風が良くってさっぱりしてる。粗忽な男との対比が妙に可笑しい。

楽輔さん  すごい高速の天狗裁きで、アップテンポに畳み掛けるように、女房が聞きたがり、隣の男が聴きたがり、云々、と会場は爆笑。最後は夢落ちではなく、エンドレスの聞きたがり。もう楽輔さん笑わせすぎ!いつも思うんだけど、楽輔さんのキャラが爆笑系なんだけどグイグイ系でないからツボにはまって好きなのかも。

鯉昇さん  遠目で少しふっくらされたかなと思っていたら、後でうかがったところ体重が7㌔増えたそうだ。タバコをやめて、食べ物が美味しくてつい食べてしまい、はけるズボンがなくなって困っているとのこと。それでもお元気そうで良かった!
噺は番頭さんのインチキそろばん占いで、事件が丸く治まるという、好きな演目の一つだ。インチキ占いをする番頭さんの仕草の可笑しさとふわふわした愉しさは鯉昇さんならでは。言葉でも見た目でも笑わせてくれる落語は、やっぱりライブでなくっちゃね。鯉昇さんで聴けて幸せ。

終始笑いに包まれた落語会は、次回は来年5月にあるそうだ。楽しみに予定しておこう。 


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隅田川馬石CD発売記念口演(11月17日) [落語会]

一旦家に戻り、夕食の支度をしてから西新宿へ向かう。馬石.jpg
隅田川馬石さんのCDの第3弾発売記念の落語会だ。
・金明竹
・花色木綿
  仲入り
・替り目

馬石さんの金明竹は兵庫出身なだけあって、上方の男の言立ては流石だ。要件をしっかり強調するところの繰り返しがまた可笑しい。それを聞いてるおかみさんがまたおっとりしていておろおろするところが可愛い。松公と共に愛すべきキャラになっている。
花色木綿(出来心)は泥棒の噺だが、間抜けでおっちょこちょいな泥棒とやっぱりどこかのほほんとした八五郎がものすごく可笑しい。この八五郎がちょっと気が弱いくせにお調子者なのがいいな。愉しい噺だった。
仲入り後の噺は替り目で、この酔っぱらい旦那としっかり者のおかみさんとのやり取りが好きな演目だが、馬石さんの酔っぱらい旦那は言いたい放題やりたい放題なんだけど、やっぱりどこか気が弱くておかみさんに頭が上がらない感じもあっていい夫婦なのが聴いていて愉しい。おかみさんも亭主にあきれてるんだけど、面倒見が良さそうで、聴いていて気持ちがいい。馬石さんは妙齢の女性がうまいなあ。
少人数で間近に聴ける落語会は充実感があって大満足。

この日も、3枚目のCDにサインをいただいて帰路に着いた。






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第144回朝日名人会(11月15日) [落語会]

DSC_0126(asahimeijinkai11).JPG

・たらちね            市助
・王子の狐           馬吉
・明烏              馬石
・ハンバーグができるまで  喬太郎
   仲入り
・将棋の殿様          小里ん
・死神              小三治

市助さん  しっかりした前座さんで、人物の描き分けもいいと思う。楽しいたらちねだった。

馬吉さん まくらは江戸の王子の稲荷詣では行く道筋が二通りあるというところから、大人が狐の化けるところを見かけて反対に一杯食わすという流れに。狐をからかう男が軽くていい加減なのに、妙に憎めないキャラで、馬吉さんらしくて可笑しい。

馬石さん 明烏は真面目で堅物の若旦那の初々しい感じが、40半ばとは思えない馬石さんがやると自然で好いな。誘った二人がまた札付きの遊び人なのにちょっとぬけているところも面白い。

喬太郎さん この噺は笑いどころ満載なんだけど、聴き終わったあとがちょっと切ない。こういうふうに商店街で買い物していた昭和の風景は、もはや遠い記憶の彼方だ。お節介な商店街の人々が愛おしい。近所付き合いも挨拶程度で、人間関係の希薄な今だから、この噺に癒されている。

小里んさん 殿様と家来の将棋の様子を淡々とされるのだが、ちょっとした言葉が可笑しくてクスクスしてしまう。殿様を諌める場面は口舌さわやかに、スカッとする。いぶし銀だなあ。小さん師匠に年々小里んさんのシルエットが似てくるので、懐かしさが募る今日この頃。

小三治さん はじめにマッサージの人から聞いたお稲荷さんの話で、何となくお稲荷さんは嫉妬深い気がして怖い感じがするそうだ。若い時、いい人と東伏見稲荷にお参りに行ったのだけれど、上手くいかずその後別れてしまわれたそうで、それからお稲荷さんが怖い感じがするそうだ。 噺は円朝作の死神。間近で見る小三治さんの死神は、さぁっと空気が変わりぞっとする凄味がある。どこから見ても、死神にしか見えない。また、医者の男が軽っぽしい情けないのが可笑しい。クライマックスの蝋燭を継ぐ場面は、ハラハラドキドキ。流石としか言いようのない、死神だった。

この日も、ハズレのない六席堪能した。






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月例三三独演(11月14日) [落語会]

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昼間の東京は雲一つない晴天で、東京タワーもきれいに輝いていた。プリンスタワーに半分隠れた東京タワーは、芝公園テニスコートから撮影した。この日は絶好のテニス日和で、4時間たっぷりプレイした。
夜はいつもの月例三三で、イイノホールへ行ってきた。案の定、前半は昼間の疲れから目が半開きで意識がどこかへ飛んでいた。ついでに、ATPツアーファイナルを夜遅く見てるから寝不足でもあるんだけど。
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・もぐら泥    昇吉
・猫定      三三
  仲入り
・ずっこけ    三三
・松曳き     三三

昇吉さん  東大卒の初めての落語家さんだそうだ。まくらで、お料理をなさるらしいこまめな独身生活をしてるんだということを聴いたあと、気を失った。もぐら泥の最後のほうで可笑しかったのだけ印象が残ってる。ここから、また目頭が重くなってきた。こういう時に限って、目が合う位置に座ってることが多いのよね。困ったことだ。

三三さん  猫定は忠義な烏猫のクマの仇討の噺で、間男博打殺しと江戸の影の噺で、前半は猫を助けて博打場に連れて行くところから意識が飛んでて記憶がない。後半になって2人の遺体のおどろおどろしさあたりから頭がはっきりしてきて、月番がなにかと大家にいいつけられるのがまたですか~というのが可笑しかった。ずっこけはよっぱらいのずっこけた噺なので、酔っぱらいのそれらしさにかかってると言ってもいい。居酒屋の場面での、男と小僧さんのやり取りが取っても可笑しくて、それを迎えにきた兄貴分が対照的にまた何とも面倒見の良いいい人。最近の三三さんは照れずにバカをやってて、酔っぱらいもちゃんとよっぱらいらしくだらしなくぐずぐずで笑っちゃう。その後の松曳きは、古今亭金原亭の落語家さんでよく聴く噺で、粗忽者のお殿様と三太夫が繰り広げるかみ合わないようでいて、なんとか話が通じていく可笑しさがテンポ良く進み、とっても面白かった。三太夫がうろたえて、切腹するという場面もいろんな勘違いが何とも言えなく可笑しい。こういう噺も三三さんらしく、軽い笑いをちゃんと古典で聴かせるところが好きだなあ。来年の鈴本の初席の3部のトリも今年に続きとるので、また楽しみな正月になるだろう。
  


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柳家三三独演会“秋”(11月10日) [落語会]

三三さんの独演会「秋」を聴きに中野まで行ってきた。
肌寒さが増す中、ゼロホールの中廊下では、若い男女が音楽をかけながらダンスの稽古に余念がない。終わって出て来ても、まだ熱く練習していた。雨露しのげるのに半屋外というのがいいんだろうな。

肝心の落語も中身は濃かった。
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・表札         市楽
・浮世床~将棋~  三三
・茶の湯        三三
  仲入り
・大工調べ      三三

市楽さん  新作といっても、もう40年くらい前にできた戦後の昭和風景の噺を、元気よく明るい口調で愉しく聴けた。昭和の右肩上がりの時代、貧乏でも子供はいっぱいいて、なんとかかんとか生きていけた時代の噺はもう新作というよりスタンダード。今の少子化の時代に聞くと、なんとかなるさの楽天的な明るさがあって見習いたいたくましさだ。市楽さんのキャラにあってて、昔の師匠方に負けてない面白さがあった。

三三さん  まくらで、三三さんが仕事で宮崎に行った時のうどん屋での話で、世代が違うとさだまさしですら若い子は知らないという。さだまさしの歌の題名を言ってもわかりそうにないので、四~五十代の男の上司が若い女性の部下にこれなら知ってるだろうと、“北の国から”を「ああ~~あああああ~~~あ~~~」と歌いだしたのにはまたびっくりしたそうだ。それでも知りませんとぴしゃりと言われ、がっくりする男性。三三さんが旅にでると、なかなか面白い事件に出っくわすので毎回楽しみだ。浮世床は気軽に面白いエピソードを愉しめる噺で、笑いもリラックスした笑い。次の茶の湯も、豆腐屋、とびの頭、手習いの師匠と、隠居、定吉のそれぞれの登場人物が、多彩な茶の湯に耐える顔の可笑しさが秀逸だ。これこそ、CDなんかじゃわからないライブならでは愉しさがいっぱい。仲入り後の大工調べは、江戸っ子の真骨頂ともいうべき噺で、この巻き舌早口の棟梁の啖呵を期待にたがわず、三三さんは見事にまくしたてた。思わず拍手喝采。ホントにカッコいいんだから!その後のお調べでも、与太郎は与太郎らしくカラッと明るくて、お奉行様はお武家らしくスカッと胸がすくお裁きで、今回も大満足の落語会だった。

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四の日昼席(11月4日) [落語会]

もう今年も残すところ2ヶ月をきってしまった。紅葉も近場の公園で観察するしかない晩秋だったが、木枯らし一番は意外に早く訪れた。厚手のコートを今季初めて着用してチンチン電車に揺られ、巣鴨のスタジオフォーまで行ってきた。背景の金属のオブジェは11月らしい銀杏だ。



·金明竹 左橋
·目黒の秋刀魚 やまと
·キセキのおばさん 駒次
仲入り
·長短 文菊
·干物箱 馬石

左橋さん  小渕さんと松島さんの大臣辞任のまくらから、にこにこしながら小渕さんは美しい、松島さんは名前が美しい、“松島みどり”ですよ、とほめ殺し。左橋さんの笑顔で言われちゃうと、毒があっても嫌味に感じないな。金明竹は、前半のおじさんと松公のやり取り、オウム返しがものすごく可笑しい。後半の上方の男の言立てもどんどん変化して行っておばさんの当惑顔がまた可笑しい。

やまとさん  先月からの懸案の料金の値上げはまだ検討中とのこと。来年から値上がりかもしれない。それにしても、千円はJAL名人会並みのお得なチケ代だ。やまとさんの目黒のサンマはなんと言っても、その調理法からして美味しそうだ。明るいキャラにぴったりのホントにいい匂いがしてきそうな、この時期ならではの食欲のわく愉しい噺だった。

駒次さん  先月の赤坂寄席でネタおろしの、ものすごく可笑しい構成のよくできた新作で、これからもどんどんかけていくのだろう、この日も大笑いだった。駒次さんの新作落語はちょっとファンタジックでハートウォーミングな、聴いた後ほっこりしながらも笑えるというのが好きな点だ。寄席サイズにして、どんどんやってほしいな。

文菊さん  亡くなった師匠の円菊さんがとにかく気が短かったそうで、それであの上半身がくねっとするんだというまくらから長短。文菊さんの長さんは言葉つきはとくにはゆっくりではないのだが、動作はとにかく丁寧と言うか石橋をたたいてわたるというか、そこに気の長さを表しているのが新鮮な感じがする。とかく、今まで聴いてきた長さんの話しかたはゆっくり過ぎて不自然と思っていたので、この長さんは自然で納得できる。気の短いほうの短吉さんも、早口というのではなく相手の言った後の間をなくしすぐのリアクションが可笑しいし、長短のその対比もはっきりとしていて面白い。

馬石さん  浅草で上席のトリを取ってるそうで、客入りに寂しさに、ここのお客が日替わりで何人かづつ来てくれると嬉しいとおっしゃる。だけど、浅草演芸場は遠いのと場所が好みでないので行かないことにしてるので、ご免なさいね。池袋か末広、上野ならウェルカムなんだけど。干物箱は本屋の善さんと若旦那とのやり取りが丁寧で、その後の成りすました後の2階での善さん1人の場面がものすごく可笑しい。おとっつぁんとのやり取りもあたふたしてる感じが金に弱い出入りの商人の情けなさこっけいさがちゃんと笑いになっている。

来月は行けそうにないので、次回は正月。はたして、いくらの値上げになっているだろうか。



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第11回全生亭(11月3日) [落語会]

今年もめったに聴けない円朝作の噺の会に行ってきた。DSC_0113(zenshouan).JPG

はじめに公開二番太鼓を、駒松さんの指導のもと見習いの小駒さんと駒六さんが実演してみせる。まだ前座になっていないのに、二人とも兄弟子の指導のたまものかしっかり叩いていた。

・初めに       全生庵の住職
・茶の湯       馬治
・政談 月の鏡   雲助
   仲入り
・塩原多助その3  馬生

円朝ものはどの噺も寄席などではめったに聴けないのでうれしかったのだが、雲助さんの噺の時は本当にお気の毒だった。途中、数分間ずっとアラーム時計が鳴り続け、それを誰も止めようとしないというか、どうも寺の境内の裏あたりで鳴っていて(客のほうのアラームではなかったため)止めようがなかったのかもしれない。皆、息をのんで集中して聴きたかったのに、そのアラームがやむ気配がない中すっかり空気が微妙になり雲助さんも淡々と短めに切り上げてしまわれた、ように思った。本当はもっと長い噺だったようなのに、とても残念。馬治さんは、茶の湯を隠居と定吉の凸凹コンビを面白可笑しく愉しく演じた後だっただけに、何とも言えない前半だった。
後半は馬生さんの去年の続きで、多助が江戸に出てきて炭屋で活躍するくだりで、この噺は先代の古今亭今輔さんのCDでしか知らなかったが、さらに長く詐欺を見破るまでを落語らしい笑いを織り交ぜた長講一席。長いのにちっとも退屈することなく、この先どうなるんだろうとわくわくする多助の働きぶりの愉しい事。この続きはまた来年と言うことで幕。来年も続きを聴きに来たいな。
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JAL名人会(10月28日) [落語会]

内幸町のJAL名人会に行く前に、大学時代の友人宅にお邪魔してきた。2世帯住宅になっているけど、数年前にご両親(彼女の)は亡くなっているので、リビングを趣味の部屋として使っているそうだ。
家を建てて10年もするともう機器はどんどん進化していって省エネにもなるし、ふと自宅を顧みるとリフォームしていところだらけだ。もう一人の友人がやはりこれから2世帯住宅に建直すので、色々熱心に参考意見を聴いていた。特に、水回りは最新のものは本当に便利なようだ。
バリアフリーとユニバーサルデザインはもちろん自分たちの老後も考えると必須でもある。

しかし今から考えると、谷ユリが幼少期に母が初めて洗濯機等の電化製品を買った時のことは同じ2世帯住宅での出来事だった。目白に自分の仕事場があった母は、歩いて10分の自宅に帰ってきて父の両親との同居で疲れ切り、普及が広まり始めの洗濯機、炊飯器、冷蔵庫、掃除機等々をどんどん買って家事の短縮に努めたのだが、その時の父の継母の鬼のような形相は忘れられない。母は涼しい顔をしてたけど、嫌味をずいぶん言われたようだ。同居とはいえ、居間も寝る所も食事も別だったので関係ないはずだったのに。この同居は14年で終わり、別所帯になって母の苦労は終わった。かように、今も昔も2世帯住宅の暮らしは色々な問題をはらんでいるのだ。

そんなことを考えつつ、夜は落語を聴きに内幸町へ行った。

・弥次郎         緑太
・金色夜叉        たけ平
・パパずれてるゥ!   王楽
・二番煎じ        鯉昇
  仲入り
・漫才           カントリーズ
・幾代餅         志ん輔

緑太さん 真面目に嘘をさらさらと言う弥次郎の適度ないい加減さが愉しい。 

たけ平さん 客いじりがうまいたけ平さんは落語というより地噺の金色夜叉。落語家というより漫談のような先代三平さんを目指してるのかな。メリハリの利いた話しかたは聴きやすいしキャラも明るいので、これからどういう噺家になるのだろうか先行きが楽しみ。

王楽さん  自作の新作で、お父さんがまさかのあっち系のかたという今時のなさそうでありそうな噺。お父さんがでてきて、授業参観をかき回すのだがなんとなく家族のいい噺でまとめている。おぼっちゃんらしいアットホームでほんわかした感じ。この収録の落語は同業者がけっこう聴いているので緊張するそうだとも言っていた。

鯉昇さん  急に寒くなってきて、この時期らしい二番煎じ。番小屋から出発する一の組の面々のそれぞれの可笑しい事はこの上ない。また美味しそうに飲む酒と、熱々のシシ鍋の組み合わせの影響で、帰ってからもらった獺祭をついつい空けてしまった。

カントリーズ  なんだかわからないけど、だんだんと癖になる笑いがおきる漫才の方々だった。2回目聴いたら、きっともっと笑っていると思う。

志ん輔さん  お出になる早々から、志ん輔さんの髪型が気になってしかたがなかった。ゆるきゃら日本1のグンマちゃんみたいだ。噺はテンポよく、花魁はあっさりと清蔵がまっすぐな感じの青年らしさがする余計なものがないのは、きっと耳で聴くだけの客を想定しての事なんだろうなと思った。

5席ほどよい長さで、コスパの良い寄席で満足だった。


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目白夜会・棗(10月22日) [落語会]

夜になってもなかなか雨がやまず、仕方なしに雨合羽を着て自転車で出かける。慌てていたのでチケットを忘れてしまった。整理番号と名前を言って、入れてもらい一安心。主催者様、お騒がせしました。

・たらちね    なな子
・野ざらし    小満ん
・崇徳院     龍志
  お仲入り
・名月若松城  小満ん

なな子 隣りのおばあさんが
湯に行ってる間にお掃除してくれるくだりは珍しい。わりと口調が普通っぽい千代女さんだったのが、女の噺家さんらしい。

龍志さん
お初にお目にかかる。まだ、立川流ができる前からのお弟子さんで、「昔は談志という人は良い人だったんですよ、上納金取るまでは。」というのが可笑しい。小満ん師匠にも宮戸川をお稽古つけてもらったのにあげてもらわないまま今に至っているそうだ。寄席に出なくなったので、30年ぶりに小満ん師匠にお目にかかると言う龍志さん。噺は加不足なく、探している二人共に、茶袱紗を拾ったら、あっしなら売っちゃうというのが可笑しかった。三軒長屋を貰えるとわかると、急におかみさんが有無を言わさぬ強権をはっするところも面白かった。寄席ではお目にかかれないけど、龍志さんはまたどこかで聴きたいなあ。

小満んさん 以前仲間の釣り好きが集まりハゼを釣ろうと集まったが、肝心のハゼ舟を予約してなくて仕方なく屋形船で繰り出したが、何故か目黒川に入ってしまったそうだ。(なぜ船頭さんが目黒川へ入ったかというと、目黒川はハゼが時々ものすごい数が俎上して、橋の上から釣っても入れ食い状態になるからではないかと思う。)屋形船なので、採れた魚を天ぷらにしていただいたそうだ。そんなまくらから、野ざらし。隠居さんの淡々とした佇まいと、八っつぁんの独り合点な骨釣りが対照的で可笑しい。自分のあごを釣るところや、浅草、上野、ニコライ堂の鐘の音の違いを口真似でおやりになるのが愉しいな。
仲入り後、龍志さんは談志さんの弟子であるだけでえらい、なかなかあの人の弟子は勤まらない、とおっしゃる。確かに、小満んさんの師匠の桂文楽と立川談志は正反対の落語家かもしれない。そんなまくらから、名月若松城。こういう講談からの噺は初めて聴くので、正直頭が老化しているため筋を認識するのが精一杯で、噺を味わうまでにいかず、勿体ないことをした。少し予習しておけば良かったと、ちょっと反省。毎回落語の勉強になる目白夜会。次会12月(ゲストは市馬さん)も楽しみだ。

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第598回 紀伊國屋寄席(10月20日) [落語会]

新宿の紀伊國屋ホールへ小三治さんと鯉昇さんが出る紀伊國屋寄席へ行ってきた。この落語会は6時半開演なのだが、開口一番はそれよりも早く始まる。電車に乗ると踏切で何かあったらしくて、少し遅れて着くとすでにゆう京さんの出番が終わるところだった。で、演目の確認ができなかった。

・開口一番  ゆう京
・たいこ腹   一蔵
・蒟蒻問答  鯉昇
・天災     文楽
  仲入
・粗忽長屋  志らく
・時そば   小三治

一蔵さん  自分が前座で出ていた時も笑いを取るのが大変だったと、ゆう京さんを慰める一蔵さん。ゆう京さんは京大卒で親が泣いてるが、自分は田柄高校卒でという自虐ネタから、8月の並木橋の時と同じく先生志望の中1の娘さんの塾の女の先生とのやり取りで(さらに先生のキャラが濃くなってて)笑いを取りに行くが、確かにここの客はあんまり笑わない。谷ユリには十分可笑しかったけど。噺のほうは体型を生かした幇間腹は似合ってるから、若旦那がもっとわがままなほうが、一八の戸惑いっぷりがさらに増すと思うんだけどな。若旦那を行動の割に柔らかく演じている一蔵さん、ヤンキーでやんちゃなキャラでやってみたら面白そう、と勝手に想像してみる。でも、可笑しかった。

鯉昇さん  西新宿以来、お姿を拝見する限りまずまずお元気そうで良かったと、自然と顔がにまにまする。ノーベル物理学賞の天野さんが小中高の後輩だそうだ。8月入院したことはもう鉄板のまくらになってる。救急車で6回運ばれた事とか、同窓会、ゴミ出し、水着、太極拳ともうクスクスから大笑い。客席がじゅうぶんあったまって、浜松餃子篇の蒟蒻問答かなと思っていたら、普通の安中の蒟蒻だった。八五郎のいいかげんさとのんびり屋の権助に対して、面倒見の良い六兵衛さんが最後に見せるにせ和尚っぷりがものすごく可笑しい。問答なんて、言葉にならないほどだ。あーーー、面白かった!

文楽さん  この前のWホワイトでの白鳥さんの話が頭に浮かんでき思い出し笑いしてしまう。小益さんの頃のイメージが強くて、いつまでも文楽という名前がピンとこないけど、もうすっかりベテランの大御所の雰囲気だ。まくらは意外と常識的で親孝行親不孝とは、とふって八五郎が文楽さんらしい気短の江戸っ子を威勢よく、紅羅坊名丸先生はうんちくよろしく温厚にきっちりと。脱線しないのはやはり8代目文楽ゆずりで、好感が持てる。遭遇率の低い噺家さんだが聴けて良かった。

志らくさん  志らくさんは久しぶり。流石に談志さんの物真似はうまいね。立川流でも、この人のシネマ落語とかの新作に興味があった12~3年前は時々独演会に聴きにいったものだが、ちょっと熱が冷めてしまって今に至る。面白いんだけど、心がちょっと空虚な気がするのだ。(あくまでも個人的な感想)でも、この日の粗忽長屋みたいな不条理コメディはハマっていると思うし、とても可笑しい。人情噺よりも、柳家のこっけい噺を極めて行ってほしいな。あってると思うんだけど。

小三治さん  「待ってました、人間国宝!」って、大声で言われても何事もなかった風にしずしずと座布団に治まる小三治さん。人に対する威圧感というものが全くないのに、存在感(オーラ)は遠赤外線のようにじわじわと伝わってくる。修行僧みたいなストイックさ無欲さが感じられる。小三治さんの家と谷ユリの家は昔から同じような生活圏内だが、子供の頃から今に至るまで出没時間が違うのか、高田馬場周辺でお見かけしたことは1度もない。今はもう閉店してしまった同じムトウでレコードを買っていたけど、やはりお会いしていない。小三治さんがバイクの免許を取ったのは、ほぼ谷ユリと同じころなので電車を利用することがなかったのだろう。まくらはバイクでツーリングした時の話で、まるで風景が見えてくるようだ。そこで食べた新そばよりうまいそばに、後にも先にも出会ってないそうだ。ホントのそばっくいなので、いよいよ時そばへの期待が高まる。あ~~食べてる、食べてる。しっぽくそばのいい匂いがする。おいしそ、う~~ん後のはまずそ。夜鷹そばやの歩く肌寒くなった夕暮れがそこにあった。

素適な一夜だった。すっかりお腹がすいて、帰り道、この夏呑めなかったフローズンビールにトライした。泡がソフトクリームみたい。
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イベリコ豚のスペアリブの残骸。
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