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第598回 紀伊國屋寄席(10月20日) [落語会]

新宿の紀伊國屋ホールへ小三治さんと鯉昇さんが出る紀伊國屋寄席へ行ってきた。この落語会は6時半開演なのだが、開口一番はそれよりも早く始まる。電車に乗ると踏切で何かあったらしくて、少し遅れて着くとすでにゆう京さんの出番が終わるところだった。で、演目の確認ができなかった。

・開口一番  ゆう京
・たいこ腹   一蔵
・蒟蒻問答  鯉昇
・天災     文楽
  仲入
・粗忽長屋  志らく
・時そば   小三治

一蔵さん  自分が前座で出ていた時も笑いを取るのが大変だったと、ゆう京さんを慰める一蔵さん。ゆう京さんは京大卒で親が泣いてるが、自分は田柄高校卒でという自虐ネタから、8月の並木橋の時と同じく先生志望の中1の娘さんの塾の女の先生とのやり取りで(さらに先生のキャラが濃くなってて)笑いを取りに行くが、確かにここの客はあんまり笑わない。谷ユリには十分可笑しかったけど。噺のほうは体型を生かした幇間腹は似合ってるから、若旦那がもっとわがままなほうが、一八の戸惑いっぷりがさらに増すと思うんだけどな。若旦那を行動の割に柔らかく演じている一蔵さん、ヤンキーでやんちゃなキャラでやってみたら面白そう、と勝手に想像してみる。でも、可笑しかった。

鯉昇さん  西新宿以来、お姿を拝見する限りまずまずお元気そうで良かったと、自然と顔がにまにまする。ノーベル物理学賞の天野さんが小中高の後輩だそうだ。8月入院したことはもう鉄板のまくらになってる。救急車で6回運ばれた事とか、同窓会、ゴミ出し、水着、太極拳ともうクスクスから大笑い。客席がじゅうぶんあったまって、浜松餃子篇の蒟蒻問答かなと思っていたら、普通の安中の蒟蒻だった。八五郎のいいかげんさとのんびり屋の権助に対して、面倒見の良い六兵衛さんが最後に見せるにせ和尚っぷりがものすごく可笑しい。問答なんて、言葉にならないほどだ。あーーー、面白かった!

文楽さん  この前のWホワイトでの白鳥さんの話が頭に浮かんでき思い出し笑いしてしまう。小益さんの頃のイメージが強くて、いつまでも文楽という名前がピンとこないけど、もうすっかりベテランの大御所の雰囲気だ。まくらは意外と常識的で親孝行親不孝とは、とふって八五郎が文楽さんらしい気短の江戸っ子を威勢よく、紅羅坊名丸先生はうんちくよろしく温厚にきっちりと。脱線しないのはやはり8代目文楽ゆずりで、好感が持てる。遭遇率の低い噺家さんだが聴けて良かった。

志らくさん  志らくさんは久しぶり。流石に談志さんの物真似はうまいね。立川流でも、この人のシネマ落語とかの新作に興味があった12~3年前は時々独演会に聴きにいったものだが、ちょっと熱が冷めてしまって今に至る。面白いんだけど、心がちょっと空虚な気がするのだ。(あくまでも個人的な感想)でも、この日の粗忽長屋みたいな不条理コメディはハマっていると思うし、とても可笑しい。人情噺よりも、柳家のこっけい噺を極めて行ってほしいな。あってると思うんだけど。

小三治さん  「待ってました、人間国宝!」って、大声で言われても何事もなかった風にしずしずと座布団に治まる小三治さん。人に対する威圧感というものが全くないのに、存在感(オーラ)は遠赤外線のようにじわじわと伝わってくる。修行僧みたいなストイックさ無欲さが感じられる。小三治さんの家と谷ユリの家は昔から同じような生活圏内だが、子供の頃から今に至るまで出没時間が違うのか、高田馬場周辺でお見かけしたことは1度もない。今はもう閉店してしまった同じムトウでレコードを買っていたけど、やはりお会いしていない。小三治さんがバイクの免許を取ったのは、ほぼ谷ユリと同じころなので電車を利用することがなかったのだろう。まくらはバイクでツーリングした時の話で、まるで風景が見えてくるようだ。そこで食べた新そばよりうまいそばに、後にも先にも出会ってないそうだ。ホントのそばっくいなので、いよいよ時そばへの期待が高まる。あ~~食べてる、食べてる。しっぽくそばのいい匂いがする。おいしそ、う~~ん後のはまずそ。夜鷹そばやの歩く肌寒くなった夕暮れがそこにあった。

素適な一夜だった。すっかりお腹がすいて、帰り道、この夏呑めなかったフローズンビールにトライした。泡がソフトクリームみたい。
DSC_0102(beer).JPG
イベリコ豚のスペアリブの残骸。
DSC_0103(iberico).JPG


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