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大和田落語会(9月21日) [落語会]

今日は久しぶりに千葉まで落語会に行ってきた。前から一度行きたいと思っていたが、なかなか機会がなくて、尚且つ遠いのでいつも二の脚を踏んでいた大和田落語会なのだが、父の夕食までにはなんとか帰れそうなので申し込みしてみた。丸花亭は京成大和田駅から徒歩5分。車で行こうか悩んだ末、お彼岸で混みそうだったので電車で。帰りは成田からの旅行帰りの乗客で混んでいた。
落語会のほうも、後ろまでいっぱいのお客さんで満席。

・2番太鼓 打ち出し太鼓 馬治 駒六
・狸の札 駒六
・そば清 馬生
・幾代餅 馬治
仲入り
・らくだ 馬生

これから前座さんになろうとする駒六さんの練習のためか、馬治さんが太鼓をカラカラカラカラとはじめに打ち2番太鼓へ、それに合わせてお多福こいこい、と駒六さんが太鼓を叩く。普通は裏でやることだが、今日は表で叩いてくれた。駒六さんのご両親も見えているそうで緊張していたみたい。そこは太鼓の上手い馬治さんがちゃんとリードして、流石兄弟子だ。

駒六さん 今日も道灌かと思いきや、狸の札。まだ若いので、子狸の可愛さが好く似合っている。いろんな前座さんで聴いているが、高座に上がって日が浅いのに、けっこう笑いを取っているのが将来有望。師匠が一緒だから気合いが入ったかな。

馬治さん 来年の3月昇進に向けてますます精力的に大ネタをかけている。昔あった病気で今はないものというかそのように言わないのが、癪と疝気で現代医学でいうと、疑似胆石と淋病性睾丸炎らしい。そんな病気の話から恋の病は変わらずにあると幾代餅。馬治さんは清蔵をひたすら真面目に愚直に演じる。それが笑いを誘う。またつき米屋の親方がやはり常識人で、清蔵を江戸っ子らしいやり方でどうにかしようとする様が気持ち良い。その後の何を見ても三月、三月がまた可笑しい。

馬生さん 一門の先代馬生の追繕興行が盛況のうちに終わりほっとされたのか、座布団にささった画鋲をあたしを殺そうとするのかと笑いに変えて、ご自分でさっと取ってめくりの木枠に刺して、噺は始まった。座談会では先代の随筆「蕎麦と私」の一節を中尾彬さんが毎日朗読したので、全部覚えてしまったそうだ。流石噺家さんは記憶力が凄い。そんなリラックスされた雰囲気から曲喰いがうどん、ひもかわ、とろろそばと3通り、どお~もっ!がひたすら可笑しいそば清だった。馬生さん、こんなに爆笑系だったっけと驚くほど笑った。
仲入り後のらくだも、屑やさんがビビりなのに酒が進むにつれらくだの兄貴と立場が逆転するのもあくまで自然に。ホントに旨そうに酒を呑む。カンカンノウの仕草が可笑しいのは勿論のこと、こちらもいっぱい笑わせてもらった。

遠くまで来たかいがあった、愉しい落語会だった。


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第9回馬治育英会(9月15日) [落語会]

来年3月に真打に昇進する馬治さん勉強会で、お江戸日本橋亭でお昼過ぎから開催された。
二つ目とはいえ、いつ真打になってもおかしくない(玄人の落語家さんが言ってるんだから間違いない)実力十分の馬治さんのネタおろしの会で9回目である。お披露目でこの会でやったどの噺をかけるのかと思うと今からとても楽しみ。
また、駒六さん(馬生師匠の六番目のお弟子さんで馬治さんの弟弟子)の初高座でもあるのでおめでたいことが重なった。この駒六さん、背が高くてすらっとしてて、かなりのイケメンくん。若いご贔屓が増えるかもね。
でも、兄弟子の馬治さんはそでで聴いててすごくハラハラしたそうだ。

・道灌     駒六
・井戸の茶碗  馬治
  仲入り
・子別れ    馬治

駒六さん  まだ見習いさんで前座にはなっていないけれど6月ごろから見かけていた。その時はメガネをかけていたが、当たり前だけどこの日はなし。結構元気に素直にやってて、途中間違えちゃったところもおたおたしないで何とか先へつなげた。初高座なのにあんまり固くなってる風でもなく、新馬戦(馬治さんいわく)はなかなかの出来ではなかったかな。馬治さんが後で言っていたが、一門は必ずこの道灌から始めるそうで、この噺は実は1番難しいのだそう。名人がやれば笑いがいっぱいとれるのに、その笑いが取れるまでが大変な噺で、柳家もそうだけどはじめは道灌からが基本なのね。

馬治さん  まず井戸の茶碗からだけど、屑屋の清兵衛さんはじめ、千代田卜斎、高木作佐久左衛門、大家さんと皆いい人ばかりでオチも気持ちの良い噺なので、謙虚な馬治さんにぴったりだ。それでも、堅物二人間に挟まって狼狽する清兵衛さんが好対照で可笑しかった。
子別れはネタおろしだったが、めったに泣くことがない谷ユリが気が付かないうちにつーっと左目から一筋流れ出ていたようだ。後で帰ってから敬老の日のお祝いの中華料理をいただいてる時に、隣に座った家人から指摘されてやっと気付いた。亀ちゃんやおっかさんにすまないことをしたというおとっつぁんの心からの気持ちと、亀ちゃんの無邪気さとおっかさんの揺れる女心がコントラストをなしていっそう切なさを増してうるうるした時か。はやくにお父さんを亡くされた馬治さんは、お父さんとの素適な思い出を会のチラシに書かれていたが、これにも心打たれるものがある。そんな思い入れがある子別れは、これからきっと馬治さんの大事な持ちネタになるだろう。

この会は3時に終わって、帰ってから父親孝行で早稲田の皇家龍鳳で夕食。美味しかった。


隅田川馬石CD発売記念口演(9月14日) [落語会]

初めて馬石さんがCDを2枚発売するという、記念口演に行ってきた。先日鯉昇さんの独演会をやった西新宿のミュージックテイトが会場で、コアなファンでもないのについ場所が近いので予約してしまったのだ。そういえば前の日もお初徳兵衛を聴いていたっけ。でも行って良かった!

・鰻や
・臆病源兵衛
仲入り
・安兵衛狐

馬石さんはこの日はここで3会場目で、初めての場所で迷われみたい。確かに分かりにくいのは、変な道つきをしていて、地図があっても堂々巡りする不思議な場所なのだ。
もう45才だと仰有るけど、とてもそうは思えない若々しさ。それで初めてのCDリリースとは、びっくりだ。
前日の馬生師匠の追繕公演の座談会に触れて、師匠の雲助さんがはじめにマイクを持って、あって大きな声でマイクテストしたきり、大した発言もしないであらぬほうを向いてたのは、弟子の立場からするとなんとか直してほしいと。
確かに、雲助さんくりくりした目で、何にも聞いてないふうだったけど、またそれを見てるのも面白かったな。
今年は高校野球が雨で開幕が2日も順延したのに気がつかず、甲子園始まりましたねえと高座で言ってしまいしくじった話と相撲はいつも時季がくればちゃんと始まるからまくらでふっても大丈夫だと。
琴欧州は引退興行を独りで仕切らないといけないけど、国技館のチケットはまだけっこう余ってて、満面の笑みで来てくださいってテレビで訴えていたが、現役の頃はあんな笑顔見たことないと。
最初の鰻やは素人鰻の短縮版で、鰻を捕まえる仕草が手指が長いので表情豊か。こういう噺はCDじゃ面白さは伝えきれない。ライブならではの楽しさいっぱい。
次のは途中から主人公が入れ替わる難しい噺で、下げを納得の行くよう変えてみたそうだ。特に源兵衛さんの怖がりぶりが、目の演技だけでも可笑しくて仕方ない。馬石さんは言葉が柔らかいので、江戸っ子の尖った感じは強くないけれど、ダメな若い者や旦那やは上手いし、ヤな奴にならないのが好きだ。人物造形が好みで、聴いてて心持ちが良いのは初めて聴いた時から変わらない。
仲入り後は、馬石さんのコン、が可愛い安兵衛狐。このコンの付け方が絶妙で、なおかつ娘らしい愛嬌がある。古今亭らしい噺はやっぱり楽しい。
3席終わった後は、購入したCDにサインをいれてくださると云うことで、2枚とも為書きまでしていただき嬉しかった!馬石さん、ありがとう♪

第15回らくご・古金亭(9月13日) [落語会]

9月13日は先代馬生(10代目)の祥月命日だ。54歳であの世に旅立ったのだが、それにしても若い。油の乗り切る前に逝ったのだと思うと、せつない気分。もう32年も経ったのかと時の流れの早さを感じる。
生前あんまり先代馬生師匠を聴いていなかったので、ここ数年前からCDで聴いてしみじみした口調の中に格調の高さを感じて驚いている。志ん朝、志ん生とも違う、派手さはないがじっくり聴かせる噺家さんだったんだ。酒タバコの摂取量の多さから癌になられたのだと思うと、もったいなくてしかたない。

さて、このらくご・古金亭、今回は十代目金原亭馬生師匠三十三回忌追善公演と銘打っている。
馬生師匠ゆかりの方々の座談会も組み込まれている。

番組は十代目馬生師匠十八番集から

・豆や       駒松
・お見立て    馬治
・お初徳兵衛  馬石
・子は鎹     雲助
  仲入り
・追善座談会  北村幾雄(新宿末廣亭会長)、池波志乃、中尾彬、雲助、馬生
・お富与三郎  馬生
 ~木更津~
 お囃子 その

駒松さん  元気に楽しく豆や。声が一段と大きくなったか?!
馬治さん  今日のお見立ての可笑しさは、前回聴いた時よりさらにパワーアップしている。杢兵衛大尽の田舎言葉といい、喜助のあしらい方といい、瀧川花魁といい落語の国の人のいい加減さが楽しい。
馬石さん  馬石さんはもしかすると、師匠の雲助さんより先代に似てるかもと思ってしまうようなお初徳兵衛だった。決して声を荒げない、たおやかさが声にある。芝居心がある好演だった。馬石さんそれにしても、指が長くてきれい。
雲助さん  子別れは色々な人のを聴いて筋もわかっちゃいるんだけど、亀ちゃんの可愛さ、おっとうのてれくささ、おっかあの女心のせつなさについほろり。雲助さんのくりくりした眼にまいってしまった。
馬生さん  お富与三郎は実は初代志ん生が噺をかけたということから、発端の木更津を。歌舞伎なら何人も出て衣装のつけてやるのに、本来の落語は一人でも装飾なしで大舞台を連想させるうんだから、聞き手の想像力にかかってる。もっとこういう噺の基礎知識が豊富だと、その想像も豊かになるに違いない。馬生さんはわかりやすく丁寧にやられるので、知識不足でも噺が入ってくる。もっとこの先を聴きたいというところでちょうど時間となった。

座談会  こんなに面白い人が席亭で、しかも馬生ファンだったとは!その上、亡くなった命日がお誕生日とは、目出度くもあり目出度くもなし、って落語みたい。生前の師匠のエピソードは人柄がしのばれるような事ばかり。もっと雲助さんの話をききたかったなあ。
  

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月例三三独演(9月11日) [落語会]

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昨夜は9月の上旬とは思えないくらい肌寒い、天気のはっきりしない1日だった。午前中から昼までアポイントがあり、その後末広の昼席に行こうかと思ったが、やっぱり疲れがたまっているので夜の月例三三独演に備えて止めにした。

・蝦蟇の油   小辰
・樟脳玉     三三
   仲入り
・道具や     三三
・三方一両損  三三

小辰さん  ちょうど目蓋が重くなって、最初の口上が終わったあたりから拍手で目が覚める。この人の時はいつも相性が良すぎるのか、ついうとうとと。きっと器用でうまい人なんだと思うんだけど、感性にざらっと引っかからないのは個人的な好みの問題。だけど、見世物の呼び込みのおにいさんはもっともっと威勢が良い方がお祭りらしい雰囲気がでると思うんだけど。
三三さん  樟脳玉は初めて聞く噺。まくらで鈴本の昼席の千秋楽は雨宿りがてら風月堂で市馬さん、菊之丞さんと3人であんみつで打ち上げしたって。ほほえましいってゆうか、その姿を想像するとなんか可笑しい!三三さんは夜店の金魚すくいが好きだったって、一所懸命やって見るのだが、結局学習しないのでいつも穴をあけてしまうそう。昔は長太郎玉っていう子供のおもちゃみたいなのを売っていたそうだが、今はもちろん見たことがない。くずやの捻兵衛さんをこの長太郎玉で怖がらせて、亡くなったお上さんの着物や金を巻き上げようとする噺なんだけど、オチの魂の匂いがするっていうのが洒脱でいいね。
この頃の三三さんの与太郎は、うふふっていう可笑しみがこみあげてくる。決してゲラゲラじゃない笑いだ。与太郎の笑顔=三三さんの笑顔になってきてるのだ。道具やでそのいい例が、途中与太郎が儲かったらカブを買おうかなっってつぶやく場面。ここで、え、与太郎が株?、と思わせておいて一呼吸おいて、漬物にしようと言う。そうだよなあ、与太郎なんだもん、株じゃなくって蕪だよなあ、とまた可笑しさがこみあげてくる。
最後の噺の三方一両損は、この前の五貫裁きに続く大岡裁きの噺。左官職人と大工は江戸時代仲が悪かったらしい。そんな設定だからこそ、江戸っ子同士の喧嘩が派手になるのもうなずける。吉五郎と金太郎この二人が軽っぽくて、それぞれの大家がいい味出してるのが、この騒動を面白くしている。
やっぱり月例独演は三三さんをたっぷり堪能できる。今月も大満足の会だった。

土曜の早朝寄席・第11回(9月6日) [落語会]

先日に引き続き、西新宿の早朝寄席に行ってきた。
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・犬の目       歌太郎
・猿後家       たけ平
・たがや       歌太郎
・ビール売りの女  駒次
   仲入り
・旅姿浮世駅弁  駒次

いつもはトリが2席だが、今日は歌太郎さんも短めのを2席やるという。確かにたがやが短かったと、後で駒次さんにつっこまれていた。

歌太郎さん  いつもにこやかで、ほのぼのとした雰囲気がただよう歌太郎さんの犬の目はファンタジーみたい。なんかありえない設定を落語の国の人たちは飄々と生きてるって感じがしてホントに可笑しい。打って変わって、たがやのほうは江戸っ子らしく、わいわいがやがやはやしたてたり、早口で啖呵をきったり、大立ち回りで確かに早めに終わったような。でも面白かったな。

たけ平さん  たけ平さんの声はいい意味でどすが利いていて、印象的だ。ナレーターや講談やっても似合いそう。8月31日でやった林家一門会で、落語協会にも属していない同門の噺家や芸能人が何人もいて、その時だけ浅草演芸場にでる人もいるそうだ。年がもっと上の同門で、郵便受けに毎月現金をぽんと投げ込んでくれるようなお旦をもつ芸人さんらしい芸人さんもいるという話から、猿後家へ。要するに、よいしょとそのしくじりの噺なんだけど、おかみさんが出入りの源さんにおだてられるとすぐコロッと行ってしまう様をとんとんとテンポ良く進めるのでどこでしくじるかはわかってるものの、どうなるどうなるとハラハラさせる。最後はおかみさんまでサルって言ってしまうというさげが、どっちもどっちという塩梅が良くて治まりがいい感じで、面白かった。

駒次さん  先日赤坂寄席でネタおろししたビール売りの女、最後のほうを少し手直しして、女同志のバトルの決着とヤクルトのサヨナラ勝ちを結びつけてさらなる感動物に仕上がった。妙子の金魚売りの売り声も球場にこだますると想像すると吹き出しちゃうね。トリネタの駅弁の噺は前に聴いた時とはちょっと違って、時代劇風味と鉄分たっぷりのテっちゃんならおおっと歓声を上げそうな小ネタがたっぷりで、まあ鉄道マニアでなくても水戸黄門はよ~く知ってるので笑いどころは満載だ。途中、ついちゃった場面があったのはご愛嬌。新作落語はかけてく内にどんどん練れて変化していって、またそれを聴くのも楽しみだ。

今日もお三方共、持ち味を生かした5席、楽しませていただいた。


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ぎやまん寄席・扇辰喬太郎二人会(9月2日) [落語会]

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この日は午後の国分寺寄席があるのをすっかり忘れてチケットを買ってしまっていたのだが、無駄にするのももったいないので、まったく方向が違うのでいったん家に戻り、夕食の支度を済ませてからダッシュで湯島へ向かった。着くと辺りは薄暗くなっていて、もう9月なんだと実感する。
流石人気のお二人で後ろまでいっぱいだ。ここは異様に高座が高くて後ろからも見えるのは助かるんだけど、演者さんは天井のライトが近くて暑そうでお気の毒だ。

・一目上がり   なな子
・麻のれん    扇辰
・寝床       喬太郎
   仲入り
・夫婦に乾杯  喬太郎
・匙加減     扇辰

なな子さん 毎度お馴染みのなな子さん。同じ姉妹弟子のつる子さんと名前を間違われるそうだ。年はなな子さんのほうが上らしいんだけど、そんなに違うようには見えないなあ。噺は先月目白で聴いた一目あがりを所々工夫が見える演出は同じなんだけど、このお客さんはあんまり笑わないなあ。ご通家が多いのか?きちっとやって良かったんだけどね。

扇辰さん  杢市さんのあんまさんが知ったかで強情なのが可笑しい。羽音もリアルで蚊が飛んでる方向が頭の向きで見えるようだ。デング熱騒動のおり、代々木公園でなくて良かったと笑いを誘う。(今じゃ、明治神宮、新宿中央公園なんかも怪しいらしいけど、こんな亜熱帯みたいな気候になったんじゃ、どこでデング熱に感染したっておかしくない。)それに対して、常識人の旦那の冷静な対応が益々可笑しさを盛り上げる。
匙加減は廓噺のようでいて大岡裁きでもあるけど、最後の機転の利いたお裁きですかっとするはずなんだけど、なんかもやもやする。品川の男が江戸っ子ぽくない、ヤな奴過ぎるのだ。ずるいだけで何か間抜けなところもないし。遣り込めるには、ヤな奴というだけではなく人間っぽい欠点がないと面白くない。扇辰さんだからしっかり楽しく聴けるけど、この噺自体がなんか好きでないのはあくまで個人的な好みの問題。

喬太郎さん  トリをどっちが取るかでいつももめるそうだ。皆さんトリが嫌いなのね。喬太郎さんの寝床の旦那はホントに可笑しい。いそいそ仕度するかと思えば、みんな来なくてがっかりしたり、すねたり、怒ったり、ご機嫌斜めを番頭さんに持ち上げられるとすぐにご機嫌良くなったり、喜怒哀楽のジェットコースターみたいでほほえましい。あの義太夫を聴いたら具合が悪くなるっていう納得のうなりにもにた語りで、毒気にあたってばたばた倒れる場面がまた笑っちゃう!
昇太さんの新作もので、ちょっとぶりっ子が入ってるコケティッシュでかわいい女性がでてくるが、こういうおくさんが世の男性の理想なのかな?喬太郎さん演じる上司がものすごく昭和のキャラで、部下の価値観をブッ飛ばしてしまう強さがいつ聞いても爆笑ものだ。喬太郎さん演ずるところの若い女の子と上司、好きだなあ。ところで、先月に比べて喬太郎さんのお腹がほんの少し凹んだと感じるのは気のせいか?!





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第4回・国分寺寄席(9月2日) [落語会]

早稲田大学の国分寺稲門会主催の国分寺寄席に、主催のS様からお知らせをいただき今年もまたお邪魔してきた。国分寺市制施行50周年記念公演だそうで、国分寺いずみホールはいっぱいだった。
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このホールは西国分寺駅前で交通の便が良いし、傾斜が付いた客席なのでとても見易くて好きな会場だ。
落語は主に当代金原亭馬生一門で、先代馬生師匠の孫の小駒さん(と、言うことは志ん生の曾孫)、新しく見習いになった駒六さん、前座の駒松さんらもかわるがわる下働きしていた。
Sさんの落語家顔負けのご挨拶から始まったのだが、アットホームな会で笑いもあたたかい。

プログラム
一、開会 
一、挨拶
一、マジック      ダミー
一、豆屋        駒松
一、棒鱈        馬治
一、夏泥        馬吉
    仲入り
一、太神楽曲芸   翁家和助
一、佃祭り       馬生
一、茶番・大喜利 塩原太助アオの別れ(馬生、和助、馬治、馬吉、駒松、小駒)
一、閉会

ダミーさん  お客さんに手伝ってもらってハンカチ、カード、リングのマジックを。簡単そうでいて奥が深い。
駒松さん   元気よく若々しい豆や。駒松さんも来年あたり二つ目になれるといいね。
馬治さん   田舎侍の歌の可笑しさ、酔っぱらいとらと相方のくまさん、それをあしらう女給さんのしっかり者ぶり、登場人物が多いのにきちっと演じ分け、馬治さんのいい喉も聴かせてもらった。江戸っ子の啖呵と皆のはくしょんの嵐に笑って、胡椒(故障)が入るで下げ。これ、薩摩・長州人が聴いたらすっごく怒るだろうな、くらいなのが好き。だって、ホントに幕府瓦解後の江戸っ子のうっぷん晴らしの噺だもん。
馬吉さん   泥棒の男とのやり取りで、どんどん情けなくなってくる様が可笑しい。男もなかなかしたたかで結構頭が働くのが馬吉さんらしい。その手に乗って、ずるずるお金を出してく泥棒の困った顔がまたいいね。
和助さん   この人、結構コメディアンの素質があるのではと、思わせる茶番のアオだった。国立博物館寄席でもやったアオの別れで、馬役なのに1番笑いを取っていた。もちろん、太神楽もしっかり。
馬生さん   佃祭りでは、この師匠ならではの着物の知識が江戸情緒を感じさせてくれる。白薩摩に博多の帯か。お召しになってるからこそ実感がこもってる。流石木挽町。おかみさんがものすごい焼き餅やきで、次郎兵衛さんは小間物屋のダンナらしく鷹揚。

夜の夕食の支度もあって、茶番が終わって退席したが、この一門の会はいつも気楽に楽しめほのぼのしてて好きだなあ。茶番をやるのもこの一門だけなのだそうだ。お客さんを楽しませようという気持ちがうれしいね。






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瀧川鯉昇独演会(9月1日) [落語会]

9月になって初っ端の夜、西新宿の鯉昇さんの独演会に行ってきた。
この会場は、落語講談邦楽系のCDやDVDの専門店で20人も入ればいっぱいになってしまうという、いわば虎の穴みたいな場所だ。平日夜は若手の落語会も頻繁に行われている。
ここは演者さんが近いので、表情動きがとてもよく伝わってくる。DSC_0032(rishouteito).JPG
この日は、2席たっぷり。大分お顔も血色が良くなられて、まくらで具合が悪かった8月の体調の話をされるんだけど、爆笑に変えてしまうところがお人柄だなあ。

・ちりとてちん
  休憩
・明烏

腐った豆腐のにおいをかぐしぐさといい、いたずらでちりとてちんを仕込むしぐさといい、ホントにカビだらけのすえたにおいが漂ってきそう。そんなちりとてちんを食べる寅さんのしぐさも可笑しくって大笑い!悪意に満ちた策略をめぐらしてるダンナなのに、なぜかヤなやつにみえないちりとてちん。
噺の途中、左褄と右褄の違いを実際にやって見せてくださる大サービスでの明烏。
芸者は芸は売るけど身は売らないので左褄、遊女はその反対に手を入れやすい右褄なんだそうだ。また遊郭はどこも観音様のそばにあるそうだ。浜松の遊郭は観音様の南にあったそう。もちろん吉原は観音様(浅草寺)の北西だけど、なにか関係があるのかしら。噺家に入門すると、呑む打つ買うは一応手を染めるけど、のめりこむ前に手を引くそうだ。そりゃそうだ、のめりこんじゃったら修行できないで破門だろうな。江戸の風情を感じさせていただいた。
2席たっぷりに師匠を間近に聴けてもう大満足。
その後うかがったら、まだ禁煙は続いてらっしゃるそうで良かったわ~!

柳家三三独演会“夏”(8月29日) [落語会]

ここ数日10月初旬並みの涼しさが続いている。夏という言葉がどこかへ行ってしまったかのような過ごしやすさでうれしい。
昼は汗だくになることもなくしとしと小雨が断続的に降ったりやんだりの中、いつものように週1テニスだった。金曜日に定期的に初めてもう10年にもなるが、4時間平気でやっていた去年までとは違い今年は体力がもたなくなってきている。3時間もすると必ず足をつってしまうのがお決まりになってしまったのだ。平素からもっと歩かないといけないとは思いつつ、ついつい自転車や車に頼ってしまう生活になってしまった。
訳あって、落語会のチョイスも家から30分位で行ける所を目安にしている。鈴本までは行くが、浅草は遠くていかない。

昨日の落語会のあった中野ゼロホールは、小さい頃ピアノの発表会が何回か行われた所で、3年ほど住んでいた時は近くのスイミングスクールや図書館に足繁く通ったおなじみの場所である。夜の小ホールと大ホールの間の通路では、よく若い人たちが熱心にダンスの練習をしている。

・子ほめ     小かじ
・転宅       三三
・千両みかん  三三
仲入り
・五貫裁き    三三

小かじさん  先日のぽっかぽっか寄席では前座働きしていたが、ちょっと着物の丈が短いのではないかなあ。背が高いから、着物を誂えるにしてもお下がりにしても大変そう。噺は前回とおなじく短冊の裸にぞなるの下の句でさげ。ご隠居さんがだんだんそれっぽくなってきた。落ち着いてきたって感じがする。

三三さん  まくらでぽっかぽっか寄席で8年前からやっているが、顔付けは自分たちでなさっているとのこと。今、池袋には小満ん師匠もでていらして、三三さんは小満ん師匠愛を熱く語る。やはり小満ん師匠は若い噺家さんには憧れの存在なのね。たたずまい、身のこなし、等々。その中でも小満ん師匠らしからぬエピソード(幽霊(実はおかみさん)、楽屋の鏡、デンタル用の鏡(実はお兄さんの痔観察用))、それもなんだか素敵だと。
最初の噺の転宅は、泥棒とお菊さんのやり取りがわかっちゃいるけど間抜けで可笑しい。特にお菊さんの気風の良さと芯の強さがでてて明治の女を感じる。タバコやのおじいさんもいい味出している。
次の噺の間には下がらずに、小三治師匠との親子会でいった北海道ではどこのお店でもしゃけが美味しかったと。
千両みかんは実際あった万惣(去年閉店)の噺である。万惣は戦後はパーラーで、小さい頃よく亡くなった母のお供で神田須田町に行った時に、ホットケーキやプリンやクリームソーダといったものをいただいた記憶がある。甘いものが苦手だったのに、万惣のホットケーキはホントに美味しく大好きだった。須田町は今はもう少なくなってしまったが、国内外の高級生地問屋や洋服付属品の問屋が多くあったのだ。そのころから、秋葉原から万世橋まであの辺り家電や電気部品を扱う店も多かったが、今はもう須田町同様ずいぶん変わってしまった。そんなことを思い出しつつ、聴いた噺は夏の暑さとヒンヤリした蔵の中の山積みの木箱から取り出すみかんの場景が浮かんできた。番頭さんののこぎり挽きの刑を心配するところから、みかんが見つかるまでの展開が、一所懸命探しあてた末のみかんを際立たせている。
仲入り後の噺は(個人的に若手では三三さんが一番似合うと思っている)大岡裁きの噺だ。だまれだまれだまれ、っていうのが胸がすく。大岡越前=加藤剛が染みついてる谷ユリとしては、お奉行様はあくまでかっこ良くさわやかでなくてはならないのだ。町人達の愚かしくも可笑しい様が対照的で笑っちゃうね。



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