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柳家三三独演会“夏”(8月29日) [落語会]

ここ数日10月初旬並みの涼しさが続いている。夏という言葉がどこかへ行ってしまったかのような過ごしやすさでうれしい。
昼は汗だくになることもなくしとしと小雨が断続的に降ったりやんだりの中、いつものように週1テニスだった。金曜日に定期的に初めてもう10年にもなるが、4時間平気でやっていた去年までとは違い今年は体力がもたなくなってきている。3時間もすると必ず足をつってしまうのがお決まりになってしまったのだ。平素からもっと歩かないといけないとは思いつつ、ついつい自転車や車に頼ってしまう生活になってしまった。
訳あって、落語会のチョイスも家から30分位で行ける所を目安にしている。鈴本までは行くが、浅草は遠くていかない。

昨日の落語会のあった中野ゼロホールは、小さい頃ピアノの発表会が何回か行われた所で、3年ほど住んでいた時は近くのスイミングスクールや図書館に足繁く通ったおなじみの場所である。夜の小ホールと大ホールの間の通路では、よく若い人たちが熱心にダンスの練習をしている。

・子ほめ     小かじ
・転宅       三三
・千両みかん  三三
仲入り
・五貫裁き    三三

小かじさん  先日のぽっかぽっか寄席では前座働きしていたが、ちょっと着物の丈が短いのではないかなあ。背が高いから、着物を誂えるにしてもお下がりにしても大変そう。噺は前回とおなじく短冊の裸にぞなるの下の句でさげ。ご隠居さんがだんだんそれっぽくなってきた。落ち着いてきたって感じがする。

三三さん  まくらでぽっかぽっか寄席で8年前からやっているが、顔付けは自分たちでなさっているとのこと。今、池袋には小満ん師匠もでていらして、三三さんは小満ん師匠愛を熱く語る。やはり小満ん師匠は若い噺家さんには憧れの存在なのね。たたずまい、身のこなし、等々。その中でも小満ん師匠らしからぬエピソード(幽霊(実はおかみさん)、楽屋の鏡、デンタル用の鏡(実はお兄さんの痔観察用))、それもなんだか素敵だと。
最初の噺の転宅は、泥棒とお菊さんのやり取りがわかっちゃいるけど間抜けで可笑しい。特にお菊さんの気風の良さと芯の強さがでてて明治の女を感じる。タバコやのおじいさんもいい味出している。
次の噺の間には下がらずに、小三治師匠との親子会でいった北海道ではどこのお店でもしゃけが美味しかったと。
千両みかんは実際あった万惣(去年閉店)の噺である。万惣は戦後はパーラーで、小さい頃よく亡くなった母のお供で神田須田町に行った時に、ホットケーキやプリンやクリームソーダといったものをいただいた記憶がある。甘いものが苦手だったのに、万惣のホットケーキはホントに美味しく大好きだった。須田町は今はもう少なくなってしまったが、国内外の高級生地問屋や洋服付属品の問屋が多くあったのだ。そのころから、秋葉原から万世橋まであの辺り家電や電気部品を扱う店も多かったが、今はもう須田町同様ずいぶん変わってしまった。そんなことを思い出しつつ、聴いた噺は夏の暑さとヒンヤリした蔵の中の山積みの木箱から取り出すみかんの場景が浮かんできた。番頭さんののこぎり挽きの刑を心配するところから、みかんが見つかるまでの展開が、一所懸命探しあてた末のみかんを際立たせている。
仲入り後の噺は(個人的に若手では三三さんが一番似合うと思っている)大岡裁きの噺だ。だまれだまれだまれ、っていうのが胸がすく。大岡越前=加藤剛が染みついてる谷ユリとしては、お奉行様はあくまでかっこ良くさわやかでなくてはならないのだ。町人達の愚かしくも可笑しい様が対照的で笑っちゃうね。



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