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わたしのマーガレット展 [アート]

集英社の『マーガレット』は創刊号から20年くらい読み続けた唯一の少女まんが雑誌だ。外遊びが好きで、読書が好きだった兄とは正反対にちっとも本を読まない谷ユリを心配した母が買い与えて、見事にはまってしまったのが『マーガレット』だった。その頃、他には『少女フレンド』『りぼん』『なかよし』等があり、一応全部購読してはいたのだが、『マーガレット』が1番好きな作品が多かったように記憶している。
『少女フレンド』はどちらかというとドメスティックな素朴な少女が主人公なのに対して、『マーガレット』は西洋の金髪碧眼の少女が表紙を飾るようなバタ臭いでも日本の少女にあこがれを抱かせるようなマンガが多かった。
その中でも一世を風靡した「ベルサイユのばら」は後にも先にもこれを超えるヒットは出ていないように思われる。池田理代子は決して絵がうまいマンガ家ではなかった。その前には水野英子、わたなべまさこ、西谷祥子のようにやはり華麗な絵のストーリー漫画に心ときめかせ、大島弓子の叙情性に心酔して、その後に出てきたまんが家だったのだが、正直ベルばらにはそれほどのめりこまなかった。むしろ、その前に連載していた「桜京」のほうがずっとおもしろくて、主人公の従妹の桜京のキャラクターが結構衝撃的で(のちのベルばらのオスカルを彷彿とさせる)それまでにないキャラクター設定が新鮮でいいなあと思ったものだ。だから、オスカルを見ても、桜京のコスプレに見えてしまうという悲劇。こっちを読んでなかったら、きっとオスカル様にはまっていたかもしれない。

高校生の桜京は面白くない授業はサボる。サボって何をするかというと、ハイデッカーの「存在と時間」を芝生にねっ転がって読む。講道館で柔道を習う。ボーイフレンドはハンサムとは程遠くいかつい。主人公のいとこがいじめられると白馬の王子様のごとく相手をやっつける。血のつながらないデザイナーの母の影響かこっそりデザインの勉強をする。実の母は同じ高校の美人で優秀な上級生の継母となっている。この上級生と桜京は心理的に複雑な思いを相手に対して抱いている。という、なかなか複雑な人間関係なのだが、血のつながりを超えた根源的な愛というテーマは、それまでの母子の愛や少年少女の恋愛になかった大きなスケールを感じさせて、それが後のベルばらに繋がっていったのではないだろうか。

そんなマーガレット歴だが、1980年位までで後はほとんど読むことがなかったため、そのころから今までは全くの空白だ。でも、やっぱり懐かしさが募る。
そんな幼少期から読み続けた『マーガレット』の半世紀をたどる展覧会に行ってきた。
50年の歴史を代表する原画を397点、ベルばらのオスカル・アンドレの等身大立像、「ホットロード」の空間展示、現役連載作家10人による創作「恋する屏風」など。10月19日まで森アーツセンターギャラリーで。
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